2013年1月23日水曜日

新刊の裏側、『Kindle新・読書術』が出ます

1月25日に、新刊『Kindle 新・読書術 すべての本好きに捧げる本』が出ます。

4年前に米アマゾンからKindleインターナショナル(第2世代)を購入して使ってみて、どうしてもこの本を書いてみたいと思っていました。Kindleの使い方そのものは、どうということのない簡単なものでしたが、米国製のため日本で使うにはそれなりのスキルが必要だった。さらに、KindleとAmazonのサービスを連携することで、電子書籍を読むという以上に便利な使い方があった。

そして日本なりの、つまり電子書籍のまだ出ていない状態で日本語の本を、しかも縦書きで作り、読む、そういうノウハウを解説したハック本を書きたかった。
そういうハックや便利な使い方をまとめ、いくつかの出版社に企画を出し、知り合いの編集者に預けていました。当時、どの編集者も、見向きもしなかった。初代iPadが出て、やっと少し興味を持ってくれる編集者もいたけど、iPadとKindleを比べたらどうしたってiPadに惹かれる。

以来3年間というもの、ことあるごとにあちこちの編集者にこんなのありますよ、とプロットを見せ続けていたけど、去年春やっと、やりましょうという編集者が出てきた。どうやら日本で日本語版Kindleが出るらしい、という噂が立ち上ったころでした。

噂は出たけど、具体的な情報が出てこない。モノも出てこない。そんなときにkoboが突然発売され、アマゾンがKindle発売を発表。発売するのは最新のPaperwhiteだとわかったのが、発売1カ月前。同時にFire/HDも出すと。
こうなると3年前の企画なんか吹っ飛んじゃう。ハック? んなことしなくても、日本語の本が縦書きで読めるじゃん!


しかし、Kindleは電子書籍リーダーであるとともに、アマゾンのサービスを利用するためのクラウド端末で、しかもKDPによって誰でも簡単に自分の本を電子書籍としてアマゾンで売れるようになってしまう。そのあたりをクローズアップしたものに変更したところ、デバイス本ではなく、そのデバイスを使うことによって読書の何が変わるのか、そのあたりが知りたいと担当が言う。

そうして出来上がったのが、Kindleを使うことによってぼくらの読書環境がどう変わるのか、変わらないのか、それをごく個人的な視点から解説しながら、しかもKindleやアマゾンのサービスをどう使うのかをも解説した、本書になりました。

この本には、Kindleの使い方からKindleとアマゾンのサービスの連携、そしてKindle本の作り方まで解説しながら、Kindleによってぼくらの読書環境がどう変わるのか、読書というものが新しい局面を迎えているのではないか、ということを書いてみました。嬉しいことに、紙の書籍とKindle版との同時発売になるとのことです。

3年前、KindleやiPadで本を読むようになって1年ほどたって、引っ越しを機に蔵書をすべて処分しました。その数は正確にはわかりませんが、それまで記録していた蔵書目録から推察して約23,000冊。雑誌類が約10,000冊以上。家中に積まれていた本やダンボール箱が、すべてなくなった。代わりに、近所の新古書店の一角が、ぼくの処分した本で埋まった。
そんな体験を交えながら、Kindleと読書について書いてみました。


0 件のコメント :

コメントを投稿