『21世紀の新しい職業図鑑』
(武井 一巳)
秀和システム
2020年8月1日発行
¥1,430
新刊が出ました。
AIによって、将来、いくつもの職業がなくなると言われていますが、では、AI時代の将来でも有望な職業は?
現在ある職業から、まだ職業として認知されていないものまで、AIに負けない45の職業について、その仕事内容や必要なスキル、職業への就き方、それに予想される収入や将来性、適正などまで解説しました。
以下、プロローグから。
未来の花形職業は、いま生まれる仕事だ!
「AIが仕事を奪う?」は愚問だ!
世界ではいま、まさに第四次産業革命が起きようとしている。
学校の教科書で習ったように、18世紀半ばから19世紀にかけて、蒸気機関の開発によってイギリスを中心に産業革命が起こった。蒸気機関の開発で工業化が進行し、さらに動力源が刷新され、工場制機械工業が発展したのである。蒸気機関を応用することで、交通革命も引き起こされている。
この産業革命を「第一次産業革命」とすれば、その後の19世紀後半にヨーロッパの国々やアメリカで起こった工業化が第二次産業革命であり、1990年代から2000年代初頭に起こったコンピュータの発達と原子力エネルギーの産業での活用が、第三次産業革命だ。
そして第四次産業革命――これは2020年から進行する5GとIoT、AIによって、世界経済に大きな変化がもたらされる現象である。
大げさだと思うだろうか。これまでの産業革命によって、経済には大きな恩恵がもたらされた。第一次産業革命は近代化の幕開けとなり、第二次産業革命は消費財の大量生産、大量消費が進み、第三次産業革命では生産の自動化と効率化が進んだ。
では、第四次産業革命は? 第四次産業革命は5GとIoT、AIによって押し進められる。とくにAIは、これまでの高度に進んだ工業化、大量生産化が自動制御されることにより、多くの分野で大量の失業者を生み出すだろう。
何も根拠のない予測で書いているのではない。「第四次産業革命」という言葉は、2016年1月にスイスで開催された「世界経済フォーラム年次総会」――通称ダボス会議――で命名されたものだ。これをもとに大手監査法人のEY新日本有限責任監査法人が設立したEY総合研究所の試算では、2030年までに日本だけでも人工知能関連の市場規模が86兆円以上となると予測されているのである。
さらに日本政府もダボス会議を受け、「日本再興戦略2016」を発表。その柱として「第四次産業革命」を据え、経産省からは「新産業構造ビジョン」が発表されている。このビジョンでは、2030年には経営や商品企画分野で約136万人、製造・調達分野で262万人、管理部門で145万人、合計すれば543万人もが失職する、と予測されているのである。
AIの発展により500万人以上もの失職者が生まれる――これが第四次産業革命に対する社会の反応だった。
AIに代表される第四次産業革命の影響は、たしかに多くの失職者を生み出すだろう。これまでの単純労働は機械化やロボット化によって置き換えられてきている。AIでは、さらに人間にしかできないと思われてきた他の労働分野を、AIや機械によって代替しようとするものだ。
しかし、勘違いしてはいけない。AIの発展によって失職者は生まれるが、これは「失業者」と同じではない。職業が変化するのだ。早い話が、第四次産業革命を推進するAIは、では誰が開発するのか?
AIによって置き換わる経営や商品開発企画、あるいは管理部門といったものを、コントロールする部門は誰が担うのか。
第四次産業革命では、従来の多くの分野の職業がAIによって置き換わるだろうが、新たに生まれる職業も出てくる。AI技術そのものを開発する職業や、このAIを利用して利益を生み出す企業や職業といったものだ。
AIは仕事を奪うが、新たな仕事も生み出すのである。
(※続きはこちらから)
目 次
プロローグ 未来の花形職業は、いま生まれる仕事だ!
Part.1 エンタメ系
エンタメ系こそ狙い目の有望職種
プロゲーマー(eスポーツ)
ゲームストリーマー
ドローン操縦士
フィットネス・コミットメント・カウンセラー
ミーム・エージェント
3Dプリントファッションデザイナー/デジタル・テーラー
ゲームプログラマー
ゲームデザイナー
グラフィッカー(絵師)
ユーチューバー(YouTuber)
ゲームクリエイター
ダンスインストラクター
VR作家(VR映像作家)
コラム ゲーム業界で働く様々な職人たち
Part.2 コミュニケーション系
AIにできないコミュニケーション系職業が必要になる
パーソナルデジタルキュレーター
AI支援付きヘルスケア技師
Webライター
プロブロガー
ヘルスサービスマネージャー
パーソナルライフログアーキビスト
地下アイドル
地方局アナ
声優
プライバシー・コンサルタント
終活プランナー
Part.3 ビジネス系
ホワイトカラーの仕事が激変する
マーケットリサーチアナリスト
データサイエンティスト
人工知能(AI)ビジネス開発マネジャー
クラウドファンディングスペシャリスト
ビッグデータ・ドクター
未来貨幣投機家
ロボアドバイザー
スマートホーム開発者
農場マネージャー
ファイナンシャル・ウェルネス・コーチ
Webデザイナー
コーポレートディスオーガナイザー
システムアナリスト
Part.4 ITスキル系
未来の仕事はITスキルが必須
ホワイトハッカー
ブロックチェーンエンジニア
プロジェクトマネージャー
組み込み系エンジニア
サイバーシティー・アナリスト
デジタル遺産管理人
AIプログラマー(エンジニア)
微生物バランサー
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