●指定した数の多角形を描く
コンピュータの得意分野に、CGがあります。CGというのは、コンピュータ・グラフィックスの略で、コンピュータを使って画像を作ることです。最近ではアニメでも映画でも、多くのものがこのCGを活用しています。
スクラッチでも、簡単なCGが描けます。この章では、指定した数の角がある正多角形を、自動的に描くスクリプトを作ってみましょう。
ところで、正多角形というのは、正三角形や正四角形など、すべての辺の長さが同じで、しかもすべての内角の大きさが同じ図形のことです。まだ学校で勉強していない人には、ちょっと難しいかもしれませんね。
この正多角形というのは、2つの条件があります。1つは、すべての辺の長さが同じという点。もうひとつは、すべての内角の角度が同じという点です。
ところで、三角形には辺が3本、角が3つあります。正四角形なら、辺が4本で角が4つです。そう、正n角形というのはn本の辺とn個の角がある図形なのです。
さらに、このn角形のすべての内角を足すと、いつでも360度になるのです。つまり、正n角形にはn個の内角があり、そのひとつひとつの内角は次の計算で出てきます。
n角形の内角=180度−(360度÷n)
三角形なら、360度を3で割ると120度で、これを180度から引いた数ですから、60度になります。四角形なら、360度を4で割ると90度で、これを180度から引いた数ですから90度。五角形なら360度を5で割ると72度で、これを180度から引いた数ですから108度、といった具合です。
ちょっと難しいですが、この計算を覚えておいてください。
では、スクリプトの設計図です。今回はとても簡単です。スプライトを動かし、正多角形を描くだけのスクリプトです。さらに、最初に何角形にしたいかキーボードから入力し、入力された数字の多角形を描いてみます。
キーボードから数字を入力してもらう。
↓
入力された数字の多角形を描く。
↓
図形を描くスプライトと、図形を消すスプライトも設置しよう。
このスクリプトで工夫する部分は、正n角形を描く部分です。この部分を詳しく説明しながら、スクリプトを作っていきましょう。
●図形を描くスプライトと、図形を消すスプライトの設置
まず、スプライトを用意します。もちろん、最初から配置されているスプライトキャットでもかまいませんが、ここでは図形を描きますから、鉛筆の形をしたスプライトがいいでしょう。
もうひとつ、図形を消すスプライトも用意しておきます。なくてもかまわないのですが、描かれた図形を見たあと、別の図形を描くときは上書きするか、または消してしまってから描くか、選べたほうが楽しいですよね。
スプライトは、スプライトリストの「スプライトをライブラリーから選択」ボタンをクリックし、あらわれた「スプライトライブラリー」ウィンドウで選択します。ここではPencilというスプライトを使ってみました。
もうひとつ、図形を消すスプライトですが、こちらは消しゴムの形をしたスプライトが見当たりませんから、Wizard2という魔法使いのスプライトを指定してみました。魔法で、図形を一瞬にして消してしまうのです。
(「スプライトライブラリー」ウィンドウで、スプライトを選択して追加します)
図形を描くキャンパス、つまりステージの背景も、変更してみましょう。こちらは画面左下の「ライブラリーから背景を選択」ボタンをクリックし、あらわれた「背景ライブラリー」ウィンドウで背景を指定します。
ここでは描かれた図形がよく見えるように、「blue sky2」という薄いブルーの背景にしてみました。
(スプライトと背景を追加・変更しました。最初にいたスプライトキャットは、削除しておきました)
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